ベアーズ島田キャンプの
三条市下田郷ご当地秘境キャンプ飯
2日目

季節は秋、紅葉が進む11月。
場所は昨日に引き続き『吉ヶ平自然体感の郷
昨晩は『しただカレーラーメン』を食して、星空(若干曇っていたのですが)を仰ぎ就寝。

そして朝…

07:00 起床

鳥の鳴き声と清々しい朝日で目が覚める。
これが人間の刻むべきリズム!と思う反面、少し飲みすぎてしまい気だるさが残る朝。
仕方ない自分のミスと思いつつも、ついつい飲んでしまったのはこの場所のせい。

今回は秋用のシュラフをチョイス。コンフォート温度(快適温度)5℃のものを使用したがぐっすりゆっくり眠ることができた。
ちなみにコンフォート温度とは、一般的な女性が寒さを感じることなく眠ることができる温度となっている。
女性は男性よりも寒さを感じやすく、約5℃ほど高く設定してある。

テントの外に出れば一瞬のうちに目が覚める。
澄んだ空気を吸い体の毒素が抜けていくのを実感しながら、早速朝ごはんの支度に取り掛かる。

07:30 朝食準備

城ノ腰の清水を汲み、喉を潤し、料理に使う。

本日の朝ごはんも、しただ産の食材と、この清水で楽しんでゆく。
朝ご飯を食べるこのゆったりとした時間は、陽が昇り体に鋭気がみなぎる一方、そろそろ帰り支度のカウントダウンでもあり少し寂しいもの。
今回の朝ご飯は『しただルーロー飯』
普通のルーロー飯には入らない里芋(下田産)を入れ、こっくり仕上げつつ、やさしい朝ご飯の装いにしていく予定だ。

今回使用するクッカーは戦闘飯盒2型。
下の鍋部分で豚肉を煮込みながら、その蒸気を使って中の蓋(通称中子)でお米を蒸していく、水蒸気炊飯で作っていく。
これはひとつの鍋で、二つの調理ができる優れもの。
(その写真は後ほど掲載)

まずは『しただポーク』の豚バラブロックを親指大の大きさに切り、炒めていく。

ここでしっかり炒めることで、脂っぽさが抜け、豚独特の臭みもなくなる。
そしてしっかり焼き目をつけて焼くことで、香ばしさが出てコクが生まれる。
重要工程だ。

下の段のクッカーに、水、酒(前日の残り)オイスターソース、醤油、砂糖を加え、そこに同じ大きさに切った里芋を入れ沸騰したら、しっかり焼き目の付いた豚肉を入れ煮込んでいき、灰汁をとる。

あー清々しい!
とにかく気持ちの良い朝だと、もう1度思う。
煮込んでいる時間を利用して少しづつ片付けをしていく。

煮込んでいる豚バラにウーシャンフェン(五香粉)を入れ、中子に入れたお米(30分ほど水に漬けた)をかぶせて蓋をして蒸していく。

15分後

たまらない仕上がり。
正直、写真撮影のためだけに蓋を開けた。
本来は開けずにじっと待つ。
しかも米も下田産の棚田米。きれいな水で栽培し、寒暖差がある為とても甘く仕上がるお米。それが『棚田米』

その間、先ほど炒めた豚肉から出た脂でチンゲンサイを炒めていく。
しただポークの全てを活用して仕上げていく。

チンゲンサイも下田産。強烈な張りでナイフを入れるとバリバリと野菜が破裂音を出してくる。
正直そんな野菜に今ま出会った事がない。
初めましての野菜の張り。

ラードで炒め、軽く塩を振る。

ある程度火が通ったら盛り付け。
ご飯を盛り、そこに里芋ルーロー飯を乗せていく。
もうすでに里芋のとろみでタレが肉にも絡み、、、もう、、、

そして、さらに卵黄、炒めたチンゲンサイを乗せて、仕上げにタレをかければ。

完成『しただポークと里芋のルーロー飯』
これはご当地グルメとして発表してもいいレベルの仕上がりだと思う。

まずは卵をつけず一口。

里芋のきめ細かさ!豚肉の旨味!少し濃いめの味付けにも関わらず、各々の持っている特性が際立つ!そこに米の甘み。恐ろしい美味さ。
黄身を割り口に運ぶと、今まで各々の活躍が目立っていたのが、チームとなり口の中に相乗効果な大きな爆弾を落とす。

そして、こうなった。

09:00 散歩

今回同行してくれたカメラマンさんの案内で、散歩に出かける。
散歩と聞いていたので軽装で準備していたら、出発後片道45分かかることにうんざり。
それはもう散歩の域ではない。トレッキングだよ!

目的地は『雨生ヶ池』これで読み方は『まおいがいけ』と読むらしい。
昔雨乞いを行ったような場所なのかなーと勝手に思う。

ぶつくさ文句を言いながら歩いていると、少しずつ山の雰囲気に癒され文句が減ってきた。
山にはそんな効果もあるようだ。

09:30 雨生ヶ池到着

およそ30分後目的の地に到着。
そこには思っている以上の絶景と、この時期にしか見れない紅葉が掛け合わさり、心が穏やかになる景色が待っていた。

穏やかに揺れる湖面に映る紅葉と山の輪郭。
そして、、、、
もう説明はいらない。

もう圧倒的な景色と空間。
いつまでも見ていられる景色。
ここでグラスを傾けたい!いや、キャンプがしたい!
そう思った時には体はこうなっていた。

体を自然の一部にしていた。
落ち葉のクッションに体を預け、その景色を堪能する。
ここまで歩いてきた道のりは伊達じゃなかった。
みなさんも『吉ヶ平自然体感の郷』に来た際には是非足を運ぶことをお勧めする。

ちなみに同行してくれたカメラマンさんは冬にも来た事があるそうで、雪の中6時間ほどかけて到着したとのこと。
きっとまた違った景色が待っているのだろう。
行く際には十分お気をつけて。

そしてその近くには半分生きていて、半分枯れている木があるということで拝見しにいことに。
雪の重みで曲がってしまった木の幹を見ながら登るとそこには独特の雰囲気の樹が。

周りの木には葉がしっかりついているのだが、この木には本当に一部に緑の葉が。
生命力は落ちたがまだ立ち続けるそれに儚さと、尊さを感じる。
自然はこんなことも教えてくれる。

少しセンチメンタルになりながらキャンプ場に戻り、帰路についた。

今回の三条市キャンプを通じてその土地のものを、その土地でいただく贅沢さに心打たれた。なぜなら食材と食材の味が馴染み、お互いがその地の養分で生きて生きたからこそのまとまりを見せることが身に染みた。

それを楽しみに来るだけでも十分すぎる場所、食材、水が揃っている。
それが今回のキャンプ地であった。

この記事を書いた人

べアーズ島田キャンプ

月に10日以上キャンプに出掛ける野外料理研究家。 レシピ本を2冊出版 その傍ら合同会社ベアーズの代表を務める。 そちらの会社では楽天トラベルキャンプのアンバサダー、アウトドア用品のアドバイザー、レンタルキャンピングカーなどの事業を営む2人の父親。

よく読まれている記事